虫歯

普通の虫歯の治療

充填物は白いプラスチック(保険適応)を使用しますが、あまりに深い場合は型をとって金属の詰め物(保険適応)かハイブリッドインレー(自費)を選んでいただきます。

神経に達した虫歯

細菌に感染した軟化象牙質を放置すると、細菌が歯髄腔に侵入し歯髄炎を起こします。
しかし、う蝕が深い場合軟化象牙質をすべて除去すると歯髄腔に穴が開き、歯髄を除去して根管治療をしなければなくなります。

3Mix-MP

歯髄に近い軟化象牙質は削らずに消毒して残します。
その上に抗生剤(3Mix-MP)を塗布することによって細菌が死滅し、軟化象牙質が再石灰化して硬くなるのを期待します。
う蝕は多種類の細菌による混合感染のため、多種類の細菌に効くように3種類の抗生剤(ミノマイシン、シプロキサミン、アスゾール)を調合しています。さらに、象牙質のように硬い組織の中に抗生剤が浸透していくようにマクロゴールとプロピレングリコールを加えています。
この3Mix-MPにより、今まですべて削り取るしかなかったう蝕を残して細菌を死滅させ、歯髄を保護することが可能となりました。
3Mix-MPを塗布した後に歯髄炎による痛みが出ることがあります。
2~3日痛みが続く場合は歯髄を除去して根管治療をする必要がありますので、ご連絡ください。
軟化象牙質が再石灰化して硬くなるまでは充填物が取れやすいのでご注意下さい。充填物が取れた場合は連絡ください。

ゴールドインレー・ゴールドクラウン

口の中でも安全なゴールド

ゴールドは柔らかすぎず噛み合わせの調和、そして金属アレルギーにも安心です。
最近は外観の美しさからレジン(プラスチック)、セラミック、経済的な面から保険適用のパラジウム合金といったようにその用途や価格を考慮して様々な素材を選ぶことができます。
それぞれに長所を持つ素材ですが、変色がなく、口の中でも安全であり噛む力に耐えることのできる素材のひとつにゴールドがあげられます。

ゴールドのメリット

1歯の寿命を永く保つ

治療・処理におおじてカラットを調整します。
隣の歯や噛み合わせる相手の歯などの健康な天然歯にも負担をかけません。

2歯にピッタリとおさまる

ゴールドは細かい設計が可能です。
また、加工も容易なため歯にぴったりとおさまります。

3身体にやさしい

ゴールドはもっとも化学変化の起こりにくい金属です。
金属アレルギーが起こりにくく、腐食しにくいため、 安心して永い間ご使用いただけます。

ゴールドインレー

インレーとは、虫歯を削り取った後の歯に埋める詰め物です。

部分的な虫歯の場合

1)虫歯の多くは歯の噛み合う面の溝や歯と歯の間から発生します。

 

2)虫歯になったところを削ります。削りとった形に合わせて詰め物を作ります。

 

3)治療のため削り取った歯に、型にあわせ細かい加工を施した詰め物(インレー)です。
硬すぎず、柔らかすぎず、天然歯に近い硬さなのでゴールドは周囲の歯や噛み合う歯を傷めないといわれています。

ゴールドクラウン

クラウンとは、虫歯を削り取った後に歯の全体を覆う被せ物です。

虫歯が広がった場合

1)虫歯が進行すると詰め物では対処できず全体的に覆い被せる「クラウン」の治療になります。

 

2)進み具合によっては単に削るだけでなく、侵された神経を取り除いて土台を作ったり、最悪の場合には歯を抜く必要もあります。
この症例では、歯を1本抜いてブリッジとして処置する例を図示しています。

 

3)進行した虫歯の場合には、削り取った歯に、被せ物(クラウン)をします。
精密で細かい加工を求められるクラウンにゴールドは適しています。周りの歯や歯茎にも適合性が良く、永く安全にご使用いただけます。

高カラット金合金はしなやかで歯との適合性もよく、天然歯に近い硬さで、噛み合う歯を傷めませんし、歯茎との境目も黒くなりません。
噛む力の強い奥歯での使用に向いてます。

※歯や歯茎の状態により適用できない場合があります。
※価格は診療内容によって変わってきます。

種類主材料治療できる歯見た目の自然さ変色しにくさ磨り減りにくさ体にやさしい
前歯奥歯
ゴールドインレー 高カラット金合金 ★★★ ★★★ ★★★
ゴールドクラウン 高カラット金合金 ★★ ★★★ ★★★ ★★★
種類主材料治療できる歯
前歯奥歯
ゴールドインレー 高カラット金合金
ゴールドクラウン 高カラット金合金
種類見た目の自然さ変色しにくさ変色しにくさ体にやさしい
ゴールドインレー ★★★ ★★★ ★★★
ゴールドクラウン ★★ ★★★ ★★★ ★★★

歯科になぜゴールドが用いられるの?

ゴールドは古くから世界中で宝飾品としてだけでなくひとつの普遍の財産としても重んじられてきました。
歯科でもゴールドは用いられますが、単なるステイタスシンボルとしてだけでなく、錆びず、変色しない化学的安定性や、1グラムのゴールドで金箔なら畳3畳分の1の広さに、金糸ならおよそ3,000メートルの長さにできる加工の容易性が高い金属であるからです。
その特長は体に対する適応性と細かな加工を求められる歯科においては非常に大きなメリットとなります。
このような理由から歯科においてもゴールドが用いられるのです。

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